生前整理アドバイザーのストーリー

【人生の棚卸しをしたことで、「これからの自分」が楽しみになりました】

生前整理アドバイザー:若松 由美子

私は、生前整理に出合う前に、「整理収納」を学んでいました。そのスキルや知識で家中を片づけました。元々「片づけ」で困っていた訳ではなかったのですが、たくさんの不要な物が出て益々家はスッキリとしました。でも何故か、やり残していることがあるような、モヤモヤした気持ちが残りました。

そんなときにネットで出合ったのが「生前整理」でした。「物・心・情報をスッキリ」のキャッチフレーズに、「私が求めているのはこれかもしれない」と直感。生前整理アドバイザー2級を受講し、モヤモヤが何であったか知ることが出来ました。

それからは、「生前整理をたくさんの人に知って欲しい!」と思い、学びをステップアップしていきました。

そんな中、昨年11月、母が子宮癌と診断され、入院・手術をすることになりました。
実家は両親(父81歳・母76歳)と弟、弟の息子(3人兄弟の三男)の4人暮らしです。15年程前からやんちゃ盛りの孫3人の面倒と家事全般を、ずっと母ひとりで担ってきました。今は就職した孫2人(長男・次男)は家を出て、「末の孫が来春高校を卒業すれば、やっと肩の荷が降りる」そんな矢先でした。

「癌」ということもショックのひとつでしたが、「母が入院したら実家は回らなくなる!どう助ければいいんだろう」と不安に駆られました。

以前から片づいていない実家が気掛かりで、往復3時間かけ、度々片づけや掃除に訪れていました。実家を訪れては、「生前整理ってこんな片づけなんだよ」「もしもが起きた時が心配」そう話す私に、少しずつ身の回りの整理を始めた母。
しかし父には、「死んだら全部投げればいいべ!」と真剣に受け止めてはもらえませんでした。

更に実家の片づけを困難にしていたのは、2階に部屋がある弟家族の荷物が、1階の茶の間や仏間、階段のあちこちに山積みされていたこと。私は機会がある度、弟に片づけを促していたのですが、いい反応は返ってきません。

「この機会を逃したら次はない!」そう思い、「両親が安心安全に暮らせる環境を作りたい」「母が入院しても生活できる仕組みをつくりたい」と、兄と弟に声を掛け、話し合いの場を設けることに。

両親と兄夫婦、弟とその息子、私と夫の8人が実家に集合。片づけの必要性を話していると、それまで気丈にしていた母が、身体のこと、家のこと、退院後のことなど、不安でたまらない思いを打ち明けてくれました。そこで少しでも母の不安を和らげようと、みんなでアイデアを出し、「やっぱり片づけをしなくちゃ始まらない!」と、すぐに片づけに取り掛かりました。

今まで何度も訪れて、出来る範囲で片づけをしてきたけれど、今回は物の持ち主の弟家族がいて判断してくれるので、サクサクと進みます。人数も多いので、仕分けした後、「いらない物」がどんどん袋詰めされ、家から出ていきます。持ち主がいない物(弟の息子・長男次男)は別に分けて、帰って来た時に判断してもらうことにしました。

 

「奥の和室に退院後のベッドを置けるスペースを作る」「1階と階段にある弟家族の荷物を片づける「使っていない物を手放す」を目的に、約4時間、家族みんなで作業をしました。

その後は私が週に1~2回実家を訪れた時に、家事のサポートと合わせ、キッチン・冷蔵庫・洗面所・玄関などできる範囲で安心安全な環境に近づけるよう片づけをしました。

母の手術から7ケ月、経過は良好です。母に驚いたのは、1回目の治療後2日ほどで畑仕事に出かけたことです。それまではそう思わなかったけど、母にとって畑仕事は生き甲斐だったんだ、と気づかされました。「やることがある」というのは力になるのですね。無理をしない程度の体力づくりにも一役かっていたのかもしれません。

現在の実家は、家族総出の片づけから日に日に元の状態に戻りつつあります。茶の間や仏間の隅、階段に弟家族の荷物が増えています。実家に行く度がっかりしますが、「にわか片づけじゃ仕方ない」と自分をなだめ、根気強く付き合おうと思います。

以前は生前整理に対して「死に支度」のような印象があったようで、物を片づけることに抵抗していた父ですが、「健康で安全に暮らしていくために片づける」ことに理解を示してくれるようになりました。

 

主に父が使っている茶箪笥は、もはや茶箪笥ではなく、来客用の食器の上には父の書類や大量の薬、とりあえず取っておく雑多な物が積みあがっています。それをここで使っている物だけ入れようと、使っていない食器を手放し、分類し、大きな字でラベリングをしました。はた目からは無秩序でも、父の中では大雑把に「ここら辺にはこれ」というのがあるらしく、父が分かりやすい、使いやすいことを一番に考えました。見栄えではなく、使う人の立場を考えなければ意味がないと、改めて感じました。おまけに、期限内の当たりクジ(少額だったから忘れてた)と、新規で作ったまま使用していなかった1万円が入った通帳が見つかり、「片づけをして得した」と笑い合いました。

また、「元気な今のうちに聞いておきたいことがある」と、今まで聞きづらかったことを話すようにもなりました。年金の話になった時、父がいかに会社に貢献してきたか、母がそんな父を誇りに思い支えてきたかが垣間見え、「ありがとう」と、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

「介護が必要になったとき」は、「家族みんなが揃ったときのテーマにしよう!」となりましたが、「どう介護して欲しいか伝えていいんだよ、お父さんとお母さんが望むことをちゃんと聞いておきたい」と、話しました。まだまだ始まったばかりの実家の生前整理。母の病気をきっかけに、方向だけは前向きになった気がします。

月に1~2回とゆっくりなペースで、時にはおしゃべりだけ、掃除だけで終わってしまうこともありますが、両親の元気な姿を確認し、今は「話を聞くだけでもいいのかなと」思えるようになりました。

普段は「命」について意識せずに生活していますが、立ち止まって過去を振り返ることで、命の繋がりを感じ、その中で生かされていることを思うと、「いいも悪いもあったけど、私は私で良かった。ありがとう。」と、じんわり温かい気持ちに包まれます。そして、娘たちに繋がってゆく命を、有難くかけがえのないものだと実感できました。

「限りある時間」だからこそ、家族や両親、身近な人をより大切にしなければと改めて思い、特に私の両親、夫の両親とは、生きているうちにしか出来ないことは、すぐにでもやらなければ後悔すると、真剣に考えるきっかけになりました。両親、夫の両親が生きているうちに、それに気付けて本当に良かったです。

生前整理をすることで、今の自分の生き方、周りの人との関係、やっておかなければ後悔することを知ることが出来ました。また、親と一緒にやってみることで、これまで気づけなかった親の生き方を知ることが出来ました。人生の棚卸しをしたことで、「これからの自分」が楽しみになりました。

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