生前整理アドバイザーのストーリー

【大切に思っている人には、普段からきちんと伝えておこう】

生前整理アドバイザー:佐藤 さちよ

50代になったら、一度立ち止まって、この先のことについて考えてみようと思っていました。

そんな時に実母が亡くなり、悲しみも癒えないまま実家に戻り、母の遺品の整理をしましたが、私自身「母の思い出の物」という思いが強かったので、なかなか整理が進みませんでした。

そしてその後、義母・義父の遺品整理をしたときにもすごく大変だったため、「自分だけではなく、家族の思いも大切にしなければならない」「家族の心の整理ができないと、遺品の整理も進まない」ということを強く感じ、「物・心・情報」を整理するという「生前整理」について学ぼうと思い、資格を取得しました。

ちょうど私が生前整理の資格を取得するために勉強をしていることで、家族たちも、亡くなった人の物が整理されないままだと、残された家族が困るということを実感してくれたと思っています。

私がこの「生前整理」を普及したいと思ったのには、2つの大きなきっかけがありました。

1つは、仲良くしていた友人の死です。
私が48歳。彼女が50歳の時でした。
朝に話をしていた友人の声を、夕方には2度と聞くことができなくなったのです。

この時には、友人の死そのものも私にとっては大きな悲しみでしたが、その娘さんたちが苦労している姿を目の当たりにしても、何も力になることができず、自分にもっと知識があれば良かったと後悔が残っています。

大切な人の死を目の当たりにすることによって、自分が亡くなった後に残された家族が大変な思いをすることを実感し、世の中の人たちにもそのことに気が付いて欲しいと思いました。

2つめは、東日本大震災です。
当時、津波被害のあった沿岸地域には息子家族とその親類や私の前職の仲間が住んでいました。
私には直接大きな被害はなかったのですが、沿岸に住む息子家族と数日連絡が取れず、安否も分からないまま不安な日々を過ごしたのです。

息子家族はみんな避難をしていて、全員無事でしたが、家族と過ごした私の家は津波で流されてしまい、家だけではなく、思い出の品もほとんど失ってしまいました。

その後、娘の結婚が決まった時にも、娘の幼い頃の写真が見つからず、探すのにひと苦労。
東日本大震災のおかげで、大切なものは日常の中に埋もれていることが多く、それをまとめておくことや整理しておくことが大切だったのだと気付き、「家族が元気でいるのは当たり前のことではない」「いつ何が起こるのか分からない」ということも、身をもって知らされました。

生きているうちにしかできないことがあります。それは小さな、細やかなことかも知れません。それでも、「自分が大切に思っている人には、『大切に思っている』ということを普段からきちんと伝えておかなければ、きっと後悔する。
このことを忘れずに、これまで以上に人との繋がりを深めていきたいと思っています。

みなさまが大切な方と最期まで笑顔でいられますように。

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